企業において各部署は主に直接部門と間接部門に分けられます。それぞれには明確な違いがあり、その特性も大きく異なります。
直間比率を知ることで、理想比率の維持やコストの肥大化防止へとつながります。本コラムでは、直間比率の定義や考え方、直間比率を意識することの重要性についてご紹介します。
直間比率とは
企業における直間比率とは、会社全体の人数もしくは人件費における直接部門と間接部門の比率のことを指します。この比率が低いほど間接部門のコストがかかっていないことを示しており、効率的に事業運営ができていることがわかります。
直間比率の算出方法は下記の通りです。
直間比率(人件費比率)=間接部門の人件費/会社全体の人件費
直間比率が高くなってしまうと、会社の売上は上がっていても、間接部門の人件費や販管費が増え、会社全体の利益は変わらないという状態に陥りやすくなります。この状態にならないためにも直間比率を定期的に算出し、観測することが大切です。
では、理想の直間比率はどのくらいなのでしょうか。
理想の直間比率
理想の直間比率は業界や業種、規模により異なりますが、当社では、間接部門の比率は10%以内を目安としております。
当社の事例として、事業拡大に伴い人員を増やすのではなく、一人当たりの生産性を上げ、今いる社員の待遇をあげることで社員の満足度向上を掲げ、2015年の12.8%から2020年には8.3%の直間比率を実現しました。
会社が日々変化する中で理想の直間比率を保つには、定期的に直間比率を確認し、増加している場合は間接部門の生産性を上げる必要があります。先ほどもお伝えした通り、間接部門の人数や人件費が増えると、会社の売上が上がっていても増益しないという状況にもなりかねません。そのためにも、直間比率を意識し、必要に応じて間接部門の生産性を上げることが重要です。
生産性は下記の式で算出可能です。
生産性=アウトプット(成果)/インプット(業務時間)
上記の式からも分かるように生産性を上げるためには、より少ない業務時間で今と同じ成果を出すか、今と同じ業務時間でより多くの成果を出すことが必要になります。
直間比率を一つの基準として、間接部門の生産性を向上していくことで会社全体の利益向上に繋がります。
直間比率の重要性
理想の直間比率を目標値として定め、目標達成に向けて間接部門の各部署や各業務における生産性目標にブレイクダウンして考えることで生産性向上への指標とすることができます。そして、生産性の向上は間接的に会社の増益に貢献することになります。
間接部門における生産性の測定方法や定量的指標を設定することの効果は下記コラムよりご覧いただけます。
目標とした直間比率を達成するため、生産性や業務価値をしっかりと意識した間接部門へ業務改善するにあたり、その業務の特性上抱えやすい3つの課題を理解しておく必要があります。下記資料では、その課題と解決策をご紹介しています。