企業における組織は大きく2つの部門に分類することができます。
ひとつは営業部門や販売部門のような業務が売上に直結するフロントオフィス(直接部門)です。もうひとつは経理・総務・人事のような企業活動に欠かすことのできない、経営資源を管理する役割を担っているバックオフィス(間接部門)です。
企業の増益を目指すという点においては、直接的に売上を生み出すフロントオフィスに注目・注力されがちですが、一方で、バリューチェーンの手法が日々進化している中、企業の基盤を支えるバックオフィス業務においても柔軟な変化と業務の継続的な最適化が求められています。
バックオフィスの「業務品質」視点
バックオフィス部門が業務を継続的に最適化させ、提供価値を高めていくために注力すべきこととしては「業務品質の向上」と「生産性の向上」の2点が挙げられます。
■業務品質の向上
バックオフィスにおける主な業務内容は、データの入力や集計作業、情報の管理など、定型業務や依頼されて行う業務が多くを占めており、その業務の性質上ミスを発生させないことや社員にルールや期日を守ってもらうことなどが優先事項となります。
バックオフィス業務は、期日通りに正確に遂行することが当たり前のように求められている一方で、人力で行う業務では「当たり前」の品質を担保し続けることへの負担は大きく、ヒューマンエラーの発生をゼロにすることは難しいのが現状です。
そこで解決の手段として、業務手順の見直しや必要に応じて最適な自動化ツールを導入するなど、ミスを発生させない仕組みをつくることで、ミスによる作業やり直しの工数を削減し、業務品質の向上やリソースの最適化を図ることができます。
バックオフィスの「生産性」視点
業務品質に加え、会社運営を行う上でバックオフィスにおいても「生産性」の視点が重要になります。バックオフィスは直接的に売上に貢献をすることが難しいものの、コストの適正化を図ることで利益に貢献することが可能です。
■生産性の向上
営業部門の売上目標達成のように加点式で評価をされることが少ないバックオフィスでは、人の反応が自身の評価となり、感謝されることや喜ばれることに注力する傾向があるため過剰サービスを生み出す可能性があります。過剰サービスは工数増加や人員増加につながり、最終的にはコストが肥大化しかねません。
各個人が業務を抱え、ブラックボックス化した状況では、業務の標準化や適正化、業務改善による生産性向上は実現できません。そのため、業務の棚卸しを行い、業務内容を可視化することで属人的業務や無駄な作業などを発見することができ、業務の見直しや標準化による生産性向上へつながります。
業務内容に併せて業務工数も可視化することで、人的リソースの最適化を検討することも可能になります。また、現場の社員が日々の業務工数を記録することで、業務に対する時間(生産性)の意識を醸成するきっかけにもなります。
(参考:バックオフィス部門の工数管理が生産性向上につながるその理由)
「業務品質の向上」と「生産性の向上」の二つの視点からバックオフィスを強化することで提供価値を高めることへつなげていくことができます。
付加価値の高い業務への取り組み
既存業務の見直しやツール導入をすることで業務工数や人的リソースの最適化が進められる一方で、創出できた時間を活用して、より付加価値の高い業務を考え・実行していくことが大切です。
例えば、フロントオフィスが受注活動へより注力できるようにサポートするための体制づくりやサポート内容の検討など、課題解決のための企画・改善提案などに時間を使い、企業の基盤としてより強いバックアップが可能な部門を目指すことで、利益に貢献し、部門としての価値を向上させることにもなります。
即ち、コア業務を見極め、コア業務へ注力していくことがバックオフィスの提供価値向上への第一歩になるのです。
下記資料では、バックオフィスが抱えやすい3つの課題とその解決ポイントについてご紹介しております。ぜひ、ご活用してください
バックオフィス部門が抱えやすい
3つの課題とその解決ポイント