「ガントチャート」とは?
ガントチャート(Gantt chart)はプロジェクトにおけるタスクとスケジュールの管理に用いられる表で、一般的には縦軸にタスク、横軸にスケジュールを記載します。
生産現場での進捗確認を目的として考案され、近年ではIT業界でシステム開発のために使用されることの多いガントチャートですが、業界によらず様々なプロジェクトに活用することができます。
特に、複数のメンバーや部署が関わる業務改善やDXのプロジェクトにおいては大きな効果を発揮します。
(参考:今日から始めるDXプロジェクト~チェックリスト付~)
業務改善・DXにガントチャートを利用する利点
先述の通り、多くの関係者がいたり、部署の横断が発生したりする業務改善等のプロジェクトにおいては、密な連携が難しく、コミュニケーションエラーによる停滞も懸念されます。また、メールやチャット、議事録のみで、関係者全員が常に状況を正しく把握することはほとんど不可能と言えるでしょう。
しかし、ガントチャートを利用することで、プロジェクト管理者だけでなく関係者全員が状況を視覚的に把握することができます。各タスクの担当者と進捗を見える化しておくことで、抜け漏れや責任の所在がうやむやになることを防ぐことができるのも利点のひとつです。
また、各タスクの開始と終了の期間を設けておくことで遅延やボトルネックを容易に特定することができます。さらには、タスクごとの完了目安を設定によりプロジェクトの所要期間が見えるため、プロジェクト管理者が各タスクの進捗をモニタリングしておくことで「始めたもののいつまで経っても終わらない。そのうち自然消滅/頓挫してしまう」といった事態を防ぐことができます。
(参考:成功する業務改善の進め方とは)
作成方法とポイント
ガントチャートを作成するツールやサービスもありますが、Excelでも十分なものが作成できます。
※本コラムの末尾に無料でダウンロードいただけるExcelフォーマットをご用意しています。
まずは、タスク一覧(WBS=Work Breakdown Structure)を用意します。
プロジェクトのゴール到達に必要な事柄を大分類・中分類・小分類に分解し、階層別に書き出します。
たとえば、「カレーライスを作る」というゴールについて考えるとWBSは以下のようになります。
このとき、各タスクの粒度を揃えることが重要になります。
上記の例で言えば、中分類が「米」「肉」であればそこに並ぶのは「タマネギ」や「ニンジン」ではなく「野菜」であるべきです。
また、小分類は担当者が作業をイメージできる程度で構いません。
カレーライス作りの例で言えば、タスクは「タマネギを2mm幅の櫛切りにする」ではなく「タマネギを切る」で十分です。
もし担当者がきちんと理解できるか不安な場合は「備考」などの欄を設けて情報を記載しておくとよいでしょう。
その後、各タスクをスケジュールに落とし込みます。
プロジェクトの期限や、重要な工程をいつまでに開始/終了していないといけないかを足掛かりとして逆算すると、スケジュールを組み立てやすくなります。
また、重要な工程は「マイルストーン(中間目標地点)」を設定しておくと、その工程の進捗状況をもとにプロジェクトが予定通り進んでいるか否かを検証することができます。
ガントチャートを利用する際に最も重要なことは、都度更新していくことです。
無理のないスケジュールを引くことが前提ですが、トラブルで遅延したり想定外のタスクが発生したりすることもあるでしょう。その場合は随時タスクの追加やスケジュール調整を行いましょう。また、スケジュール通りに進められていても、完了したことをきちんと記録し、常に最新の状態に更新しておかなければ形骸化してしまうおそれがあります。
下記よりガントチャートのExcelフォーマットをダウンロードいただけますので、ぜひご活用くださいませ。
実際にガントチャートを作成してみることで、リソースの不足や各担当者の負担、ノウハウの不足による全体設計・推進の難しさに気づく方も多いかと思います。
そのような場合には、外部の力を上手く活用するのも一つの手です。
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