企業競争力の向上や働きやすい環境づくりのためには、業務改善が欠かせません。
特にバックオフィス部門には「放置していると業務が肥大化しやすい」という傾向があるため、継続的に業務改善をしなければ非効率な作業や手厚すぎる対応などが広がり続け、気づかないうちに生産性が下がってしまいます。
つまり、裏を返せば「業務改善を後回しにされた組織には生産性アップや余剰リソースの種が数多く埋まっている可能性が高い」と言うことができます。
とはいえ、適切に優先順位づけをして一歩ずつ進めていかなければ、業務改善活動が頓挫してしまったり、かえって逆効果になったり、といった悲劇に見舞われかねません。
本コラムでは、業務改善における優先順位の考え方について解説いたします。
業務改善における優先順位づけの重要性
業務改善の本質は、「いま目の前で起きている困り事を解決すること」ではなく「現状と目指す姿とのギャップを解消すること」です。
ゴールを把握できないまま、現状のみに焦点を当ててやみくもに業務改善を始めてしまうと、期待したような成果が出なかったり、根本的な問題が解決されないままになってしまったり、他の組織にしわ寄せがいってしまったりと、かえって逆効果を引き起こしてしまうおそれがあります。
何をどのように進めていくかを明確にし、着実に成果へと近づけるためにも、適切な優先順位づけをふまえて業務改善を進める必要があります。
業務改善の優先順位づけ:①
業務改善における優先順位づけをする際には、下記のマトリクスを参考にすることをおすすめします。
高い効果の見込める業務改善は、活動関係者や他の従業員が成果を実感しやすく、その後の業務改善活動の後押しにもなります。
(参考:現場を巻き込む業務改善の始め方)
業務改善の優先順位づけ:②
もちろん、上記のマトリクスにもとづいた優先順位づけがあらゆる場面で最適解となるとは限りません。
業務改善の対象となる組織の状況(例:リソースの上限や課題の緊急性など)をもとに、重視するポイントを柔軟に切り替えて総合的に判断しましょう。
【 判断軸の一例 】
現在の業務負荷(工数):その業務や一連の作業に費やす時間
ボトルネック:業務フロー上の根本的な問題点
本業への影響:業務改善が本業に与える影響
関係範囲:その業務や一連の作業に関与する人物や組織の範囲