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2025.09.01

システム選定をするためのRFPの要諦

目的とゴールを明確にする

新しい基幹システムや周辺システムの導入・刷新は、企業のシステム投資の観点で重要な経営判断です。その成功の鍵を握るのが、ベンダーへの要求事項を明確にする「RFP(提案依頼書)」です。
RFP作成の第一歩は、なぜシステムを刷新するのかという目的と、システム導入によって何を達成したいのかというゴールを明確にすることです。たとえば、「既存システムの老朽化」が目的だとしても、その結果として「業務効率を30%改善する」のか、「顧客満足度を向上させる新しいサービスを開始する」のかによって、ベンダーに求める要件は大きく変わります。
プロジェクトの目的・ゴールが曖昧だと、ベンダーは自社の得意な技術や製品を中心に提案しがちです。これにより、自社の課題解決に本当に必要な機能やサービスが漏れてしまうリスクがあります。プロジェクトのビジョンを明確に言語化し、RFPの冒頭に記載することで、ベンダーとの認識齟齬を防ぎ、本質的な提案を引き出すことができます。

現在の業務課題を具体的に記述する

システム導入の目的は、多くの場合、現在の業務プロセスに存在する課題を解決することです。RFPでは、「属人化している業務」「手作業によるミスが多いプロセス」「データ連携がうまくいっていない部門」など、具体的な課題を洗い出し、ベンダーに共有することが不可欠です。
課題が明確であれば、ベンダーはその解決策としての機能やソリューションを提案できます。「システムが遅い」といった抽象的な表現ではなく、「在庫管理のプロセスに5時間かかっており、これを1時間以内に短縮したい」といった具体的な表現を心がけましょう。これにより、ベンダーはより現実的で、効果的な提案が可能になります。

機能要件と非機能要件を網羅的に整理す

RFPには、導入するシステムが満たすべき要件を記載します。要件は大きく分けて、「機能要件」と「非機能要件」の2種類があります。

機能要件: システムが提供すべき具体的な機能です。例:「顧客管理機能」「受注・発注機能」「売上集計レポート出力機能」など。
非機能要件: 機能そのものではありませんが、システムの品質や運用に関わる重要な要件です。例:「レスポンス速度」「セキュリティ対策」「将来の拡張性」「運用・保守体制」「サポート時間」など。

非機能要件は、システム導入後の運用や保守コストに直結するため、非常に重要です。特にセキュリティ要件や、災害時の対策(DR:Disaster Recovery)などは、企業のリスク管理上、詳細に記載すべき項目です。これらの要件がRFPで抜けていると、提案されたシステムが、後々の運用で問題を引き起こす可能性があります。

評価基準と選定プロセスを明記する

RFPは、提案を依頼するだけでなく、ベンダーを公平かつ客観的に評価するためのツールでもあります。RFPに、「どのような基準で提案を評価するのか」をあらかじめ明記しておくことで、ベンダーは評価ポイントを意識した提案を作成できます。
評価項目としては、「提案価格」「機能要件の充足度」「非機能要件の網羅性」「ベンダーの提案力・実績」「保守・サポート体制」などが一般的です。また、選定プロセス(例:一次審査→プレゼンテーション→最終面談)も事前に提示することで、スムーズな進行を促し、ベンダー間の不公平感をなくすことにも繋がります。

自社でRFPを作成する限界を認識する

RFP作成は、現在の業務を深く理解し、将来のビジョンを描き、それをシステム要件に落とし込むという、高度なスキルが求められます。しかし、多くの企業では、日々の業務に追われながら、この作業を進める必要があります。
「何が課題なのか漠然としている」「そもそもどんな技術があるのかわからない」「自社に最適なシステムを客観的に選ぶ自信がない」といった場合は、自社だけでRFPを作成するのではなく、外部の専門家であるコンサルタントを活用することも有効な選択肢です。

貴社のシステム導入を「よくある失敗」で終わらせないため、現状課題の整理からサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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