社内DX推進の目的
社内DX推進の最たる目的として「業務効率化による生産性向上」がよく挙げられます。
もちろんDXはそのための手段と言えますし、企業成長のためには重要な要件です。
しかし、このテーマを聞くと現場社員の頭には「人員削減」というワードが浮かび、「自分の仕事が奪われるのではないか」という恐怖を抱き、DXに対して後ろ向きになってしまう傾向があります。そうなると、会社への不安から信頼関係が崩れ、現場からの協力が得られず、結果的にDXが思うように進まない、失敗してしまうという事態を招きかねません。
では、現場社員がメリットを感じてくれるDXとはどのようなものなのでしょうか。
それは、ワークライフバランス向上、や働きやすさの実現といった「従業員幸福度の向上」を目的としたDXです。
DXの手段は帳票電子化やRPA、ワークフローのシステム化等様々ですが、従業員幸福度に着目したDXプランの例としては下記のようなものが挙げられます。
・子育てや介護と両立できる働き方を実現するため、リモートワーク導入およびペーパーレス化
・顧客からの問い合わせ件数の増加で残業が多く、休みにくい傾向にあったカスタマー部門でチャットボットを導入
(参考:効果を上げる!バックオフィス生産性向上~営業事務編【契約書業務】
効果を上げる!バックオフィス生産性向上~経理部門編【入金消込業務】)
「従業員幸福度」とは
従業員幸福度(EH:Employee Happiness)とは、従業員のやりがいや働くことへの喜びを数値化して示した指標です。「会社や仕事をどう思っているか」という社員の主観的要素が含まれており、重要指標として扱う企業が年々増加しています。
なぜ企業にとって従業員幸福度が重要なのでしょうか。
それは「生産性向上」や「優れた人材の確保」に繋がるからです。
やりがいや喜びを感じている従業員が多い企業では個々人の意欲が高く、自発的な行動が増えたり議論が活発化したりと、職場全体の生産性を高めることができます。
また、居心地がよく働きがいのある環境は、自分の存在意義や仕事の意義を感じられることで離職率が低く、優秀な人材が育ちやすく集まりやすい傾向にあります。
このように、従業員幸福度の向上はDX推進の最たる目的である「業務効率化による生産性向上」、ひいては企業成長の促進に繋がっていきます。
社内DXの例 -RPAによる業務自動化-
社内DXの手段は様々ありますが、今回は代表的な例としてRPAツール導入による業務自動化をご紹介します。
やりがいや喜びを感じられない理由は様々ですが、たとえば管理部門では「処理作業をするだけ」「残業ばかり」という声をよく耳にします。
このような場合、システムへのデータ登録といった定型業務をすべて人が行っており、結果的に忙殺されてしまっていることが多く見受けられます。単純な事務処理業務に追われる日々では自発的な行動や議論の活発化は生まれません。
解決策としてはRPAツールを導入し、定型業務を自動処理することが挙げられます。
RPA(Robotic Process Automation)とは人がPC上で行っている定型作業を自動化する技術を指し、RPA導入によって、従来であれば30分かかっていた作業が1分に短縮されたという事例もあります。
(参考:RPAでできることとは)
RPAによる業務自動化のイメージを持っていただくために事例をいくつか記載します。
・全社員の勤怠データ集計・報告を自動化
・締め日単位での請求書データ発行を自動化
従業員幸福度に繋がる社内DX
自動化できる業務は自動化することで、空いた時間を学びや思考に使える環境ができること、残業が減って自分に使える時間が増えることによって、成長と充実を感じられる企業風土が生まれることが期待できます。
成長できる、毎日が充実して楽しい、安心して働ける、そんな言葉に溢れた風土づくりもDX推進の可能性と言えるかもしれません。
社内DX推進は従業員幸福度の向上を目的に「働いていてよかったと思ってもらえる会社」、「やりがいや働く喜びを感じてもらえる会社」を作るためという視点で進めることも重要なのではないでしょうか。
今回ご紹介したRPAは定型業務の多いバックオフィスと相性がよく、導入される企業も多いのですが、活用しきれないということもよくあります。社員幸福度の向上にも繋がるRPA活用のポイントは下記資料よりご覧いただけますので、ぜひご活用くださいませ。
RPAで進化するDX