「DX推進」「システム導入」「業務効率化」「生産性向上」といった目標を掲げ、自社内でこれらの推進を試みている方も多いかと思います。
どのような進め方が良いかを調べると、必ず「業務可視化」というワードにたどり着きます。
その理由は、先述の目標を実現するためのファーストステップとして欠かせないものであり、業務を可視化する中で得た情報を起点としてその後の活動内容を決めていくことができるからです。
業務可視化と聞くと、「現在実施している業務の内容や担当者、その手順などを明らかにする」といったことを行うのだとイメージしやすく、すぐに取り組めるように感じるのではないでしょうか。実際に、業務可視化を実施したことがあるというお声をよく伺います。
一方で、その中には業務可視化という第一歩を踏み出したものの「それ以降どう進めて良いかわからない」「可視化した情報を活用しきれていない」というケースも少なくありません。
業務可視化の"その先"に進まない理由
業務可視化で止まってしまう原因として、「可視化の目的と可視化すべき情報が明確になっていないこと」が挙げられます。
まずは何のために業務を可視化し、どのような情報を洗い出したいのかを整理できていなければ、実施している業務をただ書き起こしたり聞き出したりしただけの棚卸に留まり、その後活用するには情報が不十分な状態であると言えます。
また、必要な情報を含めて業務を洗い出せたとしても、その業務粒度の精査などを行い次に繋げるまとめ役がいない、もしくは手が回らないといったことも他の原因として考えられます。
今まさに業務の可視化を進めようとしている方は、有効な可視化ができるように準備を整えられているかどうか、以下を参考に見直してみてください。
業務可視化の基本
業務可視化とは「業務のプロセスやそのつながりに関わる情報を明らかにしていくこと」です。
基本的には
・誰が
・いつ
・何を
・どこで
・どうやって
・どれくらいの時間で
その業務を行っているかを、業務体系表(一覧表)やフロー図を用いて表現します。
(参考:バックオフィス部門での可視化に必要な3点セット)
これらの情報を明らかにしていく中で当社がコンサルティングの際に必ず引き出している情報は、その実施業務に関連して
・どのような情報(データ)が
・何のツールを使い
・どこに流れていくか
・最終アウトプットは何か
といった事柄です。今ではほとんどの企業が何らかのシステム導入をしており、その活用状況が「DX推進」「システム導入」「業務効率化」「生産性向上」といった業務可視化のゴールにも影響を与えるからです。
(参考:「Once Only」~バックオフィスの業務改革で重要な考え方~)
対応している業務の内容だけではなく、関連ツールや扱う情報に至るまですべてを網羅する形で引き出してこそ「業務可視化」と言えます。抜け・漏れなく洗い出せるように、上記の項目を網羅したヒアリングシートを用意してみてください。
業務可視化を有効に進めるポイント
今回ご紹介した事柄以外にも、業務可視化の中で引き出しておくべき情報がある場合もあります。
組織の状況等によって異なるのですべてを挙げることはできませんが、ここまでお伝えしてきたポイントを押さえることで業務可視化を有効に進められます。
【ポイント】
①:何のために可視化をするか、目的を明確化・言語化する
②:目的達成のためにはどのような情報を可視化する必要があるか整理する
③:関連するすべての情報を洗い出す
ファーストステップである業務可視化の段階でつまずいてしまわないためにも、このポイントを念頭に進められることをおすすめします。
とはいえ、一度ですべての情報を洗い出すことは難しく、時間を要するためなかなか進めづらかったり、普段当たり前に行っている業務だと詳細まで表現することが難しかったりすることもあります。そのような場合には、第三者の視点を借りることも一つの手段です。
下記資料では、本コラムには書ききれていない業務可視化の基本やポイントをまとめております。ぜひご活用くださいませ。