DX人材の不足
近年、生産性の向上などを目的に「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が注目され、ビジネスに与える影響は年々高まりを見せています。その一方で、DX化推進における「DX人材の不足」が多くの企業における経営課題となっています。
【出典】総務省2021「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」図1-2-4-22 デジタル・トランスフォーメーションを進める際の課題
また、みずほ情報総研株式会社が2019年3月に発表した「IT人材需給に関する調査」(図3-10 IT人材需給に関する主な資産結果①②③の対比)によると、2030年に最大約79万人のIT人材が不足するとされています。
人材不足を解消する方法として「新規採用」が考えられますが、転職市場においてDX人材は常に不足しており、採用は困難を極めます。
そのような状況の中、自社内の人材をDX人材に育成するという動きが広まっています。
DX人材を育成することのメリット
自社内のメンバーを育成することは一定のコストと期間を要しますが、長期的なDX推進を考えると、以下のようなメリットを享受できます。
■ 自社に最適なDX化を実現できる
DX化の多くは、既存業務の改善や既存のノウハウを活用した新規事業の開発によって行われます。
既存業務や自社内のシステム・体制を熟知している担当者が対応することで、スピーディーかつ的確に業務課題を把握することができます。
また、正しい企画立案、開発方針の策定を行うことも可能となり、結果として自社に最適なDX化が推進されます。
■ DX化される業務及び業務システムの一貫性が保てる
外部ベンダーを活用したシステム開発は、それを担当する人のスキルによって課題認識に差が出たり、コミュニケーションに時間がかかったりする場合が多くあります。その結果、出来上がったシステムに不足があったり、既存システムとの互換性に問題が出たりする可能性もあります。
一方、社内のDX人材がこれに対応することができれば、システム化する業務の前後関係が把握できていたり、業務上の課題も正確に認識できたりするため、出来上がるシステムに不足が出る可能性は低く、システムの一貫性を保てるのはもちろんのこと、システム導入後の業務にエラーが出る可能性を最小限に抑えることができます。
(参考:最適な「システム構想」の描き方-失敗事例から学ぶDX推進の鍵-)
DX人材の育成のカギは"候補人材の見極め”にある
では、企業はDX人材をどう育成すればよいのでしょうか。
育成は、座学、実務経験、社外との交流機会を与えながら行っていくことが一般的とされています。
自社にあったDX人材を育成する際に非常に重要となるのが「DX人材に向いている人材を選ぶ」ということです。
(参考:DX推進担当者の役割と求められる人物像)
DX人材、特にDXプロジェクトを推進するメンバーには6つの適性があるとされています。
・不確実な未来への創造力
・臨機応変/柔軟な対応力
・社外や異種の巻き込み力
・失敗した時の姿勢/思考
・モチベーション/意味づけする力
・いざというときの自身の突破力
・越境学習のスキル
デジタルリテラシーやスキルだけで判断せず、上記のような適性を持つ人材を見極め、適切な人材に学習機会を与え育成を行いましょう。
下記資料では、DX人材の見極めチェックポイントをご紹介しております。ぜひご参考くださいませ。