2024年3月、政府は中堅企業の成長促進のための新たな方針として「中堅企業成長促進パッケージ」を策定しました。
本年を中堅企業元年と設定し、各府省庁において中堅企業が活用可能な施策を取りまとめたものですが、今後どのような動きや在り方が中堅企業に求められるのでしょうか。
本コラムでは、「中堅企業」の定義をはじめとして、よくある課題と求められる2つの要素をご紹介いたします。
中堅中小企業とは
出典:首相官邸「中堅企業成長促進パッケージ」, 2024/7/18 閲覧
① 大企業
定義:従業員数2,000人超の会社・個人
特徴:世界規模での事業展開が可能で、高度な専門知識と豊富な資金を持つ。技術革新や研究開発にも積極的で、社会的影響力も大きい。
② 中堅企業
定義:従業員数2,000人以下の会社・個人 ※中小企業者除く
特徴:一定の規模と安定性を持ち、資金調達や市場拡大が比較的容易とされる。組織構造が大企業ほど複雑ではないため、柔軟な経営が可能かつ成長のポテンシャルがある。
③ 中小企業
定義:業種によって異なる。詳細は上記画像を参照のこと
特徴:経営判断が迅速で、顧客との距離が近いため、高い顧客満足度を維持しやすい。資金や人材が限られているため、リスクも高いが、変化に柔軟に対応ができる。
上記のように、大企業は資源が豊富でグローバルな影響力を持ち、中小企業は素早い意思決定と地域密着型の強みを持つといった違いが見られます。その中で、成長の可能性を秘めつつ柔軟な経営が可能な中堅企業はどのような課題に直面しているのでしょうか。
中堅企業が抱える課題
中堅企業成長促進パッケージにおける重点施策の取り組みに「経営基盤の強化・整備」があるように、実際のコンサルティング現場でも「営業力強化が競合他社より遅れている」、「リソース不足により事業基盤が安定しない」といった課題が散見されます。
<よくある課題とその理由>
① 営業力が強化できていない
市場の競争力が激化する中で、ターゲット市場の明確化や顧客ニーズの深い理解など、一貫した営業戦略の設計は非常に重要です。しかしながら、多くの中堅企業ではリソースが限られているため、営業力強化に向けた効果的なトレーニングやツールの導入が難しい場合が少なくありません。
② リソースの不足
優秀な人材の確保と保持も大きな課題です。特定の技術やノウハウを持つ人材がいなくなることで企業全体の競争力が低下するリスクもあります。さらに、技術やサービスの差別化、特に大企業との競争においては、自社の独自性をいかに保ちつつ優位性を打ち出せるかが問われています。
営業力強化やリソース不足といった課題にのみフォーカスし、現状を打破するためにとりあえず業務改善を進めようとスタートするケースも少なくありません。しかしながら、全体最適と今後を見据えた業務改善を考えることこそが、中堅企業の成長に求められる成功のポイントなのです。
(参考:成功する業務改善の進め方とは)
中堅企業に求められるのは、今後を見据えた "柔軟性×変革力”
前述のような課題を解決して企業成長を図るためには、今後の方向性をしっかりと定め、時流に柔軟に適応し変革し続けることが求められます。
たとえば、フレキシブルな動きや柔軟性を兼ね備えていれば、法改正や多様な働き方への適応も問題ありません。さらに、新技術やシステムを素早く業務へ取り入れて現状の業務に掛け合わせていく変革力があれば、業務の効率化や属人化の解消、デジタルマーケティングの活用が可能です。
このように、今後を見据えた “柔軟性×変革力” を持つことで、守りから攻めの姿勢へと変わり営業力の強化にもつながるでしょう。そのためにも、これからの時代に向けたあるべき姿やなりたい姿をしっかりと定めることが重要です。
また、企業成長のためにどのようなシステムが必要か、どのような投資を行うかなど、システムの視点も忘れずに取り入れましょう。
(参考:企業におけるIT投資の考え方とは?)
解決策や方向性は業態や業種、企業が置かれている環境によって様々ですが、いずれにしても現状把握から課題を洗い出し、To-Be像を組み立てるステップが欠かせません。
やってみたいが何から始めたらよいかわからない、客観的に自社を見てほしい、ITツールの導入に興味があるけど難しいといった方は、ぜひ下部のフォームより無料個別相談のご希望をお寄せください。