工数管理の重要性とその活用方法
現代のビジネス環境では、生産性の向上はすべての企業にとって重要な課題です。
そんな中、工数管理は生産性向上のための手段のひとつとして活用することが可能です。
今回のコラムでは、工数管理の基本的な概念や目的、そして具体的な活用方法について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、貴社の生産性向上にお役立てください。
工数管理とは?
「工数」とは、特定の業務にかかる時間と必要な人数を掛け合わせた作業量や業務量のことです。
これを管理することを「工数管理」と言い、実際に各業務や作業にかかった時間を記録することを指します。
工数管理を行う目的は、以下のように視点によって異なってきます。
企業視点:必要工数を計算し、ヒト、時間などの経営資源の投入を管理するために必要
個人視点:自身の現状、生産性を確認し、効率化を図るために利用
工数管理の目的
工数管理の目的は大きく二つあります。
①成果の指標化と生産性向上
社員ごとの業務量や作業時間を数値で表現し、日々の取り組みや成果を可視化します。
これにより、業務改善のサイクルを回し、生産性向上を図ることができます。
②業務別収支の確認と管理
社員が業務や案件に使った工数を記録することで、業務・案件単位の人件費を把握し、適切な収支管理が可能になります。
これにより、稼働状況に応じた業務調整や適切な人員配置が実現できます。
工数管理を行うことで、業務の現状や負荷状況を定量的に把握することができます。
また、本来は可視化しづらい仕事の実績や成果を数値で正しく伝える手段となり、時間意識やコスト意識の向上が期待できます。
工数データの分析と活用方法
工数データを用いた業務の管理・調整、生産性向上を実現させるためには、工数データから得られる情報を把握し、以下の視点で分析することが重要です。
【工数データから得られる情報】
・業務ごとの工数
・個人ごとの工数
・部署ごとの工数
【分析の視点】
・日別、月別の工数推移から業務量の傾向を確認
・昨年との比較
・属人化傾向
・各人(部署)の業務比率から適切に時間配分ができているかを確認
・1件(案件)あたりの処理時間から生産性を確認
・工数×社員の時給単価から各業務にかかるコストの算出
上記のように、工数データ(定量情報)から得られる情報とその分析内容、さらに現場の実情(定性情報)を組み合わせることで、より精度高く現状を把握し、生産性向上に向けた施策の検討や業務改善のサイクルを回すことが可能です。
例えば、「人不足」や「業務過多」などの定性的な状況も数値で説明できるようになり対策を検討でき、また工数の推移をモニタリングすることで人員配置、業務やスケジュール調整が可能な状態になります。
(参考:業務改善を推進する定量分析の視点)
生産性向上に向けた業務改善のサイクル
工数管理を実施するだけで、生産性の向上が実現するわけではありません。
重要なのは、工数管理で得られる情報をどのように扱い、分析し、アクションに繋げるかです。
得られたデータを基に、業務の現状を正確に把握し、具体的な課題を洗い出していきましょう。
そして、その課題に対する改善策を立案し、実行することで初めて生産性の向上が可能になります。
工数管理を効果的に活用し、継続的な業務改善に取り組むことが生産性向上への鍵となるのです。
工数管理を導入することで、皆さんの日々の努力や業務の価値を数値で表現し、効率的で効果的な働き方を目指しましょう。
下記の資料では、本コラムで解説した内容の詳細と図解をご覧いただけます。工数管理の活用をご検討されている方は、ぜひ手元資料としてご活用ください。