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業務標準化とは?メリット・デメリット、進め方とポイントを解説

現代のビジネス環境は、デジタル化の加速や人材の流動化など、目まぐるしく変化しています。このような状況下で、多くの企業が直面している課題の一つに「属人化」があります。

属人化とは「特定の担当者しか業務内容を把握しておらず、その人が不在になると業務が滞ってしまう状況」を指します。この属人化を解消し、組織全体のパフォーマンスを高めるために重要となるのが「業務標準化」です。

本コラムでは、「業務可視化とは」から始まり、そのメリット・デメリットや進め方、ポイントを解説いたします。

業務標準化の定義と目的

業務標準化とは、社歴やスキルなどによって大きく左右されないよう、同一の手順・品質によって業務手順を最適な内容にすることを指します。具体的には、仕事の成果などに一定の基準を設定し、誰が仕事しても同じ標準に達するように業務プロセスを最適化すること です。これにより、仕事の進め方や判断基準が組織内のルールとして統一され、作業者ごとの手順のばらつきがなくなります。

業務標準化における重要な概念として、「再現性」と「代替性」が挙げられます。再現性とは業務を同じ作業手順で行えること、代替性とは担当者が違っても同じ水準で作業を行えることを指します。業務標準化は、業務に再現性代替性を持たせること、ともいえます。

業務標準化の主な目的は、限られた人的リソースを有効活用し、人材不足などへ柔軟に対応できる組織を構築すること です。誰でもスムーズに業務を実行できるようになり、ベテラン社員の知識や経験を組織内で共有し、技術伝承を促進することも目的の一つです。

業務標準化のメリット・デメリット

業務標準化に取り組むことで、多くのメリットが得られます。
ただし、それと同時にデメリットとも言える影響も生じます。

〈メリット〉
・業務効率化・生産性向上
・業務品質の向上・均一化
・属人化の防止
・従業員の多能工化(マルチスキル化)
・部署間連携の円滑化
・コスト削減
・創造的な業務への注力
・柔軟な組織体制

〈デメリット〉
・柔軟性や創造性の制限
・従業員のモチベーション低下(マンネリ化や自主性の喪失)
・現場の反発(慣れたやり方を変えることへの抵抗)
・マニュアル作成・運用の負担と形骸化

これらのデメリットを克服するためには、マニュアルは要点に留めて従業員の裁量や判断の余地を残したり、業務を行う目的や効果といった背景をしっかり伝えた上で標準化を進めること、そして標準化対象とする業務の見極め が重要です。また、改善提案の機会を設けるなど、従業員の自主性を促す工夫も効果的です。

業務標準化の進め方とポイント

業務標準化は、一般的に以下のステップで進められます。

1. 目的と対象業務の決定
なぜ標準化が必要なのか、その目的を明確にし、どの業務を標準化するかを決定します。属人化している業務や品質にばらつきがある業務を優先することが推奨されます。また、専門性の高い業務や柔軟性が必要な業務は標準化が難しいため優先順位を下げます。
2. 現状把握と問題点の洗い出し
現状の業務フローを「見える化」し、ムリ・ムダ・ムラが発生している作業やルールを洗い出します。フローチャートなどを用いて視覚化することが有効です。
3. 業務整理と改善計画の作成
洗い出された問題点に基づき、業務手順を整理し、ムダなステップの削減や効率的な手順への変更などを検討します。ボトルネックとなっている部分を特定し、改善計画を作成します。
4. マニュアルと業務フローの作成/再設計
整理・改善された業務手順に基づき、標準作業手順書(マニュアル)を作成します。業務フローも再設計します。マニュアル作成時にはフォーマットを統一することが重要です。
5. 運用と定着
作成したマニュアルや新しい業務フローを現場で運用します。従業員へのトレーニングや説明会などを実施し、理解と定着を図ります。

業務標準化を効果的に進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、組織全体で取り組むため、経営層がリーダーシップを発揮し推進することが不可欠です。そして、「なぜ標準化が必要か、どのようなメリットがあるか」を現場を含む関係者に丁寧に説明し、目的を共有・浸透させることが極めて重要です。また、現場の意見やフィードバックを反映させることで、現場の理解と協力を得やすく、実情に合った標準化が可能になります。

ワークフロー管理ツール、マニュアル作成・管理ツール(特に動画マニュアル)、ERP などのツールを活用することで、業務プロセスの可視化やマニュアル作成、タスク管理などが効率的に行え、標準化を促進できます。システムに合わせて業務を変えるというアプローチ(Fit to Standard)も有効な場合があります。

また、業務標準化にはマニュアル作成が重要となりますが、それ自体を目的ではなく標準化の手段であると認識すること、加えて、すべての業務が標準化に適しているわけではないため、対象業務を慎重に見極めることが成功の鍵です。

まとめ

業務標準化は、業務内容や手順を統一し、誰でも同じレベルで業務を遂行できるようにする取り組みです。業務効率化、品質向上、属人化の防止、技術伝承など、組織の持続的な成長に不可欠な多くのメリットをもたらします。
標準化を進める過程では、業務の「見える化」、ボトルネックの特定、マニュアル作成、そして継続的な見直しが重要です。また、経営層の強いリーダーシップのもと、現場の声を反映し、従業員間のコミュニケーションを密にしながら進めることが重要となります。

業務の可視化・最適化から標準化までには相応のリソースやノウハウが必要となります。もし自社内だけでは難しいという場合には外部サービスを頼るのも賢い方法です。ご興味がございましたら下記よりお気軽にご相談をお寄せください。

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