1.事例企業様の概要
現状のアナログな業務内容の課題を踏まえ
将来を見据えたデジタル化を推進し、現場で利活用できるシステムの導入に成功した成功事例をご紹介します。
システムの導入にあたり、社内の反対意見など様々な阻害要因を乗り越えて
新規の「基幹システム」を導入に成功し、業務工数の50%の削減にも成功されています。
【食品加工製造業 F社様】
■所在地:静岡県
■従業員数:約120名
■事業内容:食材、食品包材の製造・販売
2.持続可能な事業のためのシステム導入の目的・コンセプト設計
これまでF社様では、原価軽減の為の一括仕入れを実施していましたが、
「リアルタイムでの原価実態が不明確」
「現場任せの調達により在庫が膨らむ」
「過酷な環境(冷凍庫内)での実棚作業」
といった課題があることから、基幹システムの導入を決断されました。
そして、基幹システムなどの影響の範囲が大きいシステム導入を行う上で重要である、
目的とコンセプトを社長を中心に明言し、基幹システム導入に着手されました。
■目的:「属人化の排除と生産性向上を推進し、持続可能な事業とする」
⇒①受発注業務、原価・在庫管理、商品トレースなどシステムで一元管理
⇒②在庫管理、棚卸しの時間短縮等による間接コスト削減と生産性改善
⇒➂事務経理処理においての二重三重の業務を排除
■システム導入のコンセプト
・パッケージシステムに業務を合わせる
⇒結果:1つのツールに統一する
・経営者を交えたプロジェクトメンバーを中心に全社で推進する
⇒結果:経営者が俯瞰的にプロジェクトをみることで業務の棚卸を実施できる
・新業務開始にあたり時流に則ったルールを明確にしてこれを遵守する
⇒結果:事務職の在り方・リモートの導入
上記コンセプトを社長自らが宣言することにより、
「標準システム以外使用しない(パッケージに業務を合わせる)」、「追加開発をしない」、
「運用を変更しないということはしない」、「同じものを2度入力しない」という、
プロジェクトルールの徹底化がなされました。
つまり、『パッケージに合わせて、カスタマイズをせず、運用・ルールを柔軟に変える』、
ということを社長が明確に宣言することで、システムはあくまで手段と捉え、
目的とコンセプトを言語化したことで、その後の導入の推進にもつなげています。
3.Microsoft社の『Dynamics 365 Business Central』により、原価の可視化、脱属人化、効率化を達成
前述のような課題が顕在化していた中で、
F社様では Microsoft 社の『Dynamics 365 BusinessCentral』というパッケージ基幹システムを導入。
「データの一元管理」「業務データの可視化」「実棚卸回数の削減」を実現されました。
(1)Dynamics導入後の効果
①日々の生産実績計上は職人による手書きメモレベルにて管理されていた
⇒Dynamicsにより、データが一元化され、生産現場と管理部リモート作業での連携を実現
(作業時間=40時間→20時間へ(月))
②生産実績のロット管理(商品トレース)が行えていなかった
⇒Dynamics標準のロット管理機能により、出荷製品からの商品トレースを実現
更に新チャネルへの販売戦略にも挑戦も可能になった
③歩留り集計、棚卸作業については、エクセル、紙による手作業で行っていた
⇒Dynamicsにより、歩留り集計作業が自動化され、実棚卸作業も回数を減らす
(歩留り集計=半年に1回→毎月実施(リアルタイム))
(実棚卸回数=毎月実施→2か月1回に変更)
※今後、理論在庫の精度向上により更に減らすことも視野に入れる
④会計ソフトへの入力作業完了まで時間がかかっていた
⇒Dynamicsにより会計データの集計出力を行い、会計ソフトへ取り込むことで、作業効率化を実現した
(作業時間=40時間→20時間(月)へ50%削減)
(2)現在進行中の取り組み
➀Dynamicsへ蓄積されるデータを分析活用】
・集計作業時間を削減⇒考える時間に置き換える【調達方法の改善】
・データを取る(エクセル汎用性)⇒有効在庫を基に販売促進への企画
・根拠ある値決めの実行
②システム汎用性が高い特性を活かし、他事業部への導入を進める】
・現在、他事業部への導入が進行中
⇒今後の売上増に耐えるための管理体制を築く
・将来的な販売戦略拡大に繋げる
➂各種入力作業の標準化】
・リモート作業者へ入力作業を集約する
⇒既存人員での売上げ最大化へ
(3)成果に繋がったポイント
前述のように今回の基幹システム導入において、成果に繋がった最大のポイントは、
『業務をパッケージに合わせて、カスタマイズをせず、運用・ルールを柔軟に変える』を徹底されたことです。
システムを導入するにあたって非常に大事なポイントであり、
目的/目標にもあった、属人化・効率化を達成するためにも、とても重要なことです。
但しこれは宣言をすればそのように進むということではなく、
常に導入のポイントポイントでキーマン(本プロジェクトでは社長)の指示が的確になされていたことを意味します。
これにより現場メンバーが判断に迷うことなく、正しい導入に進むことができました。
4.システム導入が上手くいかない会社は何が悪いのか
基幹システムの導入において、なぜ成功しないのか?というお声やご相談をいただきます。
それは、システムをプロダクトとして導入するだけで業務整理を実施しない、
カスタマイズを実施してしまっていて属人化したシステムになってしまっている、
入力ルールがバラバラなので活用できるデータになってない、などが挙げられます。
このような状態になってしまっていると「使えていないシステム」が日々の業務に寄り添ってしまいます。
データを正しく一元管理させ、業務にシステムを合わせるのではなく、
システムに業務を合わせるスタンスがいかに大事であるか、
「現場が使えるシステム」こそ、本当に導入を果たしたシステムであるということを本事例にて、
お伝えさせていただきました。
ぜひ皆様のシステム導入を経て、「現場が使えるシステム」の導入に向けて参考にしていただければ幸いです。
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■古い基幹システムの使いにくさを補うために、多数のExcelや紙帳票を現場で使用している(二重三重の業務や度重なる転記・手入力により、業務効率が上がらない)企業様
■直近で基幹システムの刷新を考えているが、新しいシステムの比較・検討のポイントがわからない企業様
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