バックオフィス部門における目標設定は難しい
人事や経理、総務などのバックオフィス部門や事務職と呼ばれる方々において目標設定は難しいと捉えられやすく、
・どういう項目を目標に設定すると良いのか
・目標達成に向けてどう行動すると良いのか
・何を基準に目標が適切であるかを判断するのか
・管理者は目標設定から達成までどうフォローすると良いのか
など目標を立てる本人はもちろん、それをサポートする管理者(評価者)の立場でも頭を抱えることが多い部分です。中には「毎年時期になったらいつもやっていることを思い返してとりあえず目標として設定しておく」といったような形式的なものになってしまっている方もいるかもしれません。
確かに、営業部門のように直接的に売り上げに関係している部署と同じように明確な数値で目標を設定するのは難しいかもしれません。ですがどんな部署、どんな職種の人にとっても意味と納得感のある目標を設定することはとても大切で、自身が日々の業務の中でその目標に向かって積極的にアクションを起こすことが自身の成長と会社への貢献につながっていきます。ではどうすれば難しいと思われがちなバックオフィス部門で意味のある目標設定ができるのでしょうか。
目標を設定するときに大切なこと
そもそも目標設定や目標管理を行う理由はモチベーションの維持などもありますが、人事評価のために行っている場合が多いと思います。自分で立てた目標の達成に向けて意識的に行ったアクションが会社の業績向上や部署目標の達成に寄与したかどうかという点で判断するのが評価です。そのためにはメンバー自身は「自分の行動で会社にどう貢献できるか」という視点をもって目標を設定することが大切であり、そのためにも管理者は会社全体や部署の目標をしっかりと提示し、メンバーのやりたいことや得意なことと結び付けてあげる必要があります。
つまり目標を設定する前段階で、管理者が会社の方向性を示し、メンバーはそれを自分事として理解に落とし込むことが重要なのです。
「積み重なる業務をこなすこと」は目的ではない
ここまでお読みいただいて会社の方向性や部署目標は知っている、伝えているのに…と感じる方もいると思います。バックオフィス部門などの事務職において目標設定が難しいと感じる理由は、そもそも直接売り上げに寄与する営業部門とは異なり、定型的な業務が多くを占めるため明確な数値目標を掲げにくいという点にあります。
そのため定性的な目標や評価に偏り、日々おこなっている業務が具体的に会社にとってどんな影響を与えられるか、どう貢献につながっているのかがメンバーにとってわかりにくいものになってしまいます。そして日々積み重なる業務に目的意識が持てず、目の前のことを淡々とこなす作業になってしまいます。
数値目標を掲げられないといっても部署には必ず目標があるはずで、その目標をただ提示するだけではなくそれがどう会社への貢献につながっているのかをメンバーにイメージさせることが大切です。例えば営業部門に所属する事務スタッフの場合、その人が担っている役割が部門の売上にどう貢献しているのかなどを伝える必要があります。これらを行うことにより、日々の業務をこなすといった意識に陥りやすい職種であっても目的を持って取り組めるようになります。
個人目標の設定における管理者の役割とは
会社や部署の目標を落とし込めたら、その達成に向けて自身がどんな役割を担ってどんな成果に関わるのかをメンバー自身が考え目標を設定します。定期的な面談や1on1などの機会はその認識の擦り合わせや修正などに活用するとよいでしょう。個人の目標は会社や部署の目標から引き抜き一方的に設定するのではなく、メンバー自身が考え設定することで日ごろから、意識的に行動することにつながっていきます。
メンバー自身の成長は会社の成長であり、メンバーが目標を達成することで長期的には会社の事業成長にもつながります。管理者は「評価者」ではなくメンバーの考えや想いを知り、その実現に向けて一緒に振り返りながら作戦を立てる「伴走者」になることが大切なのです。
頑張りを評価できる仕組みを整え、間接部門のスタッフが主体的に行動できる組織をつくるための手法を動画でお伝えします。ぜひ、ご覧くださいませ。
間接部門の主体性を引き出すための
目標管理とKPI設定