必要なのに動き出せない業務改善の罠
業務改善のセオリーとして、
現状把握→理想的なフローの構築→業務改善実行
のステップがあります。
しかし、改善に向けて現状把握すべき可視化範囲の広さから動けなかったり、理想フローを検討するばかりで実行に移せず、結局、業務改善自体が進まない状態になりがちです。
また、改善にかかる予算や既存システムとの連携など、様々な制約条件に縛られてしまうと更に進めることができなくなります。
業務改善は、一定期間で終了するものではなく、企業にとって当たり前の意識として定着することが重要です。そのためにも、業務改善を進める上では、ポイントをしっかりと押さえ、やると決めるだけではなく「始める」ということに注力すべきです。
【秘訣1】スモールスタート&スモールサクセス
間接部門全体を一気に改善しようとすると手が止まってしまうため、まずは一部分からでも着手し、成功体験を積むことが業務改善を確実に進める秘訣です。
業務改善においては、経営層や業務改善の担当者だけではなく、現場メンバーの協力が必須となります。現場メンバーが主体的になり、業務改善の必要性を実感してもらう環境を創りあげることが重要なのです。
そのためにもまずは、対象部署・業務を一つ決めて、業務改善をスタートさせましょう。
選定する際のポイントは下記の2点です。
・改善のインパクトが大きい部署・業務
・変化に対して拒否反応の少ないメンバーがいる部署・業務
スタートをした後もその部署・業務においては、しっかりと進捗を追いかけ、会社としてのサポートの姿勢を見せることも大切です。
(参考:社内DXで叶える従業員幸福度)
【秘訣2】理想は持ちつつ「今、変えられる部分」にフォーカスをする
改善をするための大元を探し始めると、「システムの入れ替えが必要」「今のフローを全部変更する必要がある」など話が大きくなりがちです。もちろん将来的に理想のフローを実現することを目標に掲げますが、システムの入れ替えなどになると数年かかります。
まずは「今、自分たちで変化させられることは何なのか?」を見つけ出し、業務工程の削減・業務フローの変更・RPAなどを使用した業務自動化を一つずつ行うことによって、小さくても自分たちで変えられる部分の改善活動を繰り返しましょう。
最初に大きすぎる目標を立てても、現場メンバーからすると他人事のように感じてしまいます。現場メンバーが自分たちの業務改善であるという意識を持てる範囲でまずはスタートすることが大切です。何度も業務改善のトライ&エラーを繰り返して成果を実感することで、通常業務を行う中でも業務改善について意識できるようになり、結果として大きな業務フロー改善へと繋がっていきます。
(参考:2022年から見た「DXをドライブさせる3つの発想」)
成功体験を得ることで間接部門の業務改善は進んでいく
何度もスタート段階で失敗するような改善を繰り返すと、現場メンバーは業務改善に対して苦手意識を持ってしまいます。業務改善活動自体、通常業務に追加での業務となりどうしても作業量が多く発生してしまう側面があるため、余計に通常業務を逼迫するイメージしかなく、否定的になりがちです。
一つの部署での成功事例を社内に共有していくことで、他の部署へ展開することが可能です。小さくても改善の活動をスタートし、現場メンバーが成功体験を積むことで業務改善への苦手意識を払拭することができ、着実に業務改善意識が定着していきます。
業務改善をするならあの部署もこの部分も、と広がりがちですがまずは対象を絞り込みましょう。「スタートして成功体験を積む」ことに集中し、現場メンバーをしっかりと巻き込んで業務改善意識を定着させることで、今後の業務改善がスムーズに進みます。
下記資料では業務改善を進める際に気を付けるポイントとその解決方法について解説しています。業務改善を始めたい方、上手く進んでない方にオススメの内容となっておりますので、ぜひご活用くださいませ。