業務改善に対しての動きが後回しになるその理由
間接部門の業務改善をしよう!と号令をかけても、うまく進まない会社は多く存在します。
その原因の一つが、「現場との温度差」です。
日々、通常業務の対応をしている現場メンバーからすると、
・目の前の業務で手一杯
・変化に対する恐れ
・自分事と思っていない
といった現実から、業務改善に向けての動きが二の次になりがちです。というのも、業務改善に対して行うべき業務という理解もなく、また改善のゴールが見えないことで走り出せない状態となっているためです。
業務改善をうまく進めるためには、しっかりと現場メンバーに目的を理解してもらい、自分事として捉えてもらう働きかけが重要です。
【方法1】業務改善を実施する目的・目指す姿を共有し伝え続ける
業務改善を進めるためには、各部署の現場メンバーが目的を理解して協力し合える体制が必須となります。目的が共有されていない状態で業務改善をスタートさせても通常業務の波にのまれてしまい、業務改善活動は後回しになりがちです。
「業務改善を実施する目的」
「業務改善をすることで目指す間接部門の姿」
の2点を下記のような形で現場メンバーが理解できるように伝え続け、巻き込んでいくことがポイントです。
・現在はこのような状況のため、業務改善を実施してあのような姿を目指していく
・業務改善を行ったあとは、こういった業務に注力してほしい
・業務改善によりこのような組織にしていきたい
業務改善を実施することで、自分たちの業務・組織がどう変わっていくのかを現場メンバーがイメージできるまで共有し伝え続けましょう。
(参考:5分でわかる!成功する業務改善の進め方)
【方法2】改善活動も「業務の一環」であるメッセージを伝える
間接部門で働くメンバーには、自分の業務をしっかりと遂行したいという気持ちを強く持っている方が多くいらっしゃいます。その方たちからすると、通常業務が非常に重要となり、業務改善活動は優先順位が下がりがちです。なぜなら、そこに時間をかけて通常業務に影響を出したくないという気持ちが存在するからです。
これは、通常業務と業務改善活動がまったくの別物であるという認識になっていることが原因です。業務改善が通常業務とは別のものだと考えてしまうと優先順位が下がり、意欲的なメンバーがいない限りは業務改善活動が進まない状態となります。
業務改善活動は、通常業務と一緒に存在するものであり、業務の一環であることを明確に伝えましょう。また、通常業務に影響が出すぎないよう、どの部署・業務からスタートするかの選定も重要です。
【方法3】各部署・業務毎に自分たちで解決すべき問題として落とし込む
業務改善を大きく会社の方針で打ち出したとしても、そのままにしておくと「誰かがやってくれるもの」といった意識になり、一部の人だけの活動になりがちです。
業務改善において、「自部署・自分の業務では何をすべきか?」までブレークダウンして考える環境にすることで、自分事として捉えてもらうことができます。(業務改善の目的と改善活動は業務の一環であることを伝えていることが前提です)
目的に合わせて課題を見つけ、解決することで「どういったことができるか?」をイメージしてもらい、その内容を共有するステップを繰り返すことで、自分事として捉えてもらうことが可能になり、業務改善について考えることが当たり前となっていきます。
間接部門において生産性向上・コスト肥大化抑制のためには、業務改善意識を定着させることが大切です。業務の可視化やフロー図の作成という作業を行うだけでは、継続した業務改善活動にはなりません。業務改善の目的や目指す姿を共有したうえで、通常業務と業務改善を同時に意識できる現場メンバーを増やすことにも並行して取り組む必要があります。
本コラムでは業務改善についてお伝えしましたが、下記の資料では、間接部門(バックオフィス部門・管理部門)が抱えやすい課題とその解決ポイントについてより詳しく解説しています。間接部門の業務改善に向け、是非併せてご覧ください。