やってもやっても成果が見えない業務改善
バックオフィス部門の業務改善は、成果が見えづらく、また業務改善だけで即座に大きな結果が出るものは実は少ないのが事実です。企業として改善活動を推進していても、現場メンバーに対して成果や活動状況を共有していないと、現場メンバーの意識から「業務改善」が薄れていきます。そのことが業務改善にトライしても継続できず、失敗する結果を招いてしまいます。これは、悪気があって意識をしなくなるのではなく、意識をし続ける環境が整っていないことによるものです。
生産性を意識すべきバックオフィス部門としては、常に業務改善を行っていく環境を創り上げることに注力し、長期的にコストの肥大化を抑えることが重要です。
業務改善におけるKPIを設定して数値化していますか?
業務改善の目的を共有し、スモールスタート・スモールサクセスを掲げて業務改善活動を開始しても、その成果が見えなくては改善を継続させることができません。 業務改善のスタート方法や目的共有の必要性などは下記コラムをご覧ください。
(参考: 動き出さない間接部門の業務改善をスタートさせる秘訣/間接部門の業務改善に積極的なメンバーを増やす3つの方法)
業務改善を現場メンバーの意識に定着させ、継続して進めるためにはどういった行動をするかだけではなく、その結果、どのように改善しているのかを測定できる指標を必ず定めましょう。バックオフィス部門においては、工数管理を用いた人時生産性が指標としやすいです。
目的に沿った指標を定め数値化することで、更なる改善手段や次の目標を定めやすくなります。また、目標の達成度合いを測定する指標であるKPIが設定されていることにより、改善活動の評価が可能になり、より効果のある改善活動に注力することができます。
業務改善活動の状況を全員に共有できていますか?
業務改善を推進するにはプロジェクトのような体制を取り、旗振り役を設置することが重要です。
しかし、その活動状況が関係者のみにしか共有されていないと、現場メンバーは関係ないものとして捉えてしまいます。結果、協力体制を保つことができず活動推進を阻害します。活動に関する情報やその結果を全員に対して共有し、常に開示している状態にしましょう。
活動状況が共有されていることで、自部署だけでなく他部署の状況やアイデアを知ることができ、部署間の連携が非常に重要なバックオフィス部門全体の業務改善につながっていきます。
(参考:現場を巻き込む業務改善の進め方)
業務改善に取り組んでいる人をしっかりと評価できていますか?
業務改善を推進し、積極的に取り組んだとしても、そのことに対して応援や評価がなければ「やるだけ無駄」といった意識が生まれてしまいます。活動自体やその結果をしっかりと評価し、継続的な活動に向けて支援する姿勢が大切です。また、号令をかけるだけではなく、定期的に活動に対してレビューを行うことも継続的に進めるうえで効果的です。
業務改善の結果を可視化し、現場メンバーへ評価すると共に活動状況を全体へしっかり共有することで継続的に業務改善を行っていける環境を創り上げることができます。
バックオフィス部門において、メンバーが業務改善の意識を持ち、改善活動を評価・推進できる環境を整備することで、より生産性の高い部隊への転換につながります。これは、コストセンターからの脱却の第一歩にもなり、組織文化を大きく変化させることになります。ただ改善活動を行うのではなく、働き甲斐のあるバックオフィス部門を目指して日々の業務改善を行っていきましょう。
下記の資料では、間接部門(バックオフィス部門・管理部門)が抱えやすい課題とその解決ポイントについて詳しく解説しています。間接部門の評価についても解説しておりますので、是非併せてご覧ください。