バックオフィス部門(間接部門)の工数管理導入を検討・実施した企業にとって、 導入のハードルを越えた後に待っているのが「データ活用の壁」です。
工数の把握をできたはいいが、ただ情報が溜まり、その後の活用につながらないという状況に陥る場合が多いです。 工数データを活用・分析しバックオフィス部門の生産性向上という成果に向けて活動を継続しなければ、導入の意味はなく、また入力される工数の精度も下がる一方になります。
バックオフィス部門における工数データから見えてくること
メンバーの日々の業務における工数データから、部署別・個人別・業務別での業務工数の把握が可能です。このデータが生産性向上のための対応策を検討する要素となります。
また、常に工数管理による業務のモニタリングを実施することにより、各業務の「時間あたりの適正アウトプット基準」を定めることができます。
■業務の生産性
・1件当たりの処理時間は適正か?
(※総処理時間÷総処理件数=1件あたりの処理時間)
■個人の生産性
・1件あたりの処理時間を大幅にオーバーしていないか?
・不明確な仕事をしていないか?
・色々な業務にチャレンジしているか?
■チームの生産性
・いろいろな業務にチャレンジさせているか?
・メンバー毎に業務の偏りがないか?
アウトプット基準と各メンバーの工数を照らし合わせることで、メンバーのスキルレベルの判定も可能となります。
このように、工数データは業務・生産性の指標として、ブラックボックスになりやすいバックオフィス業務を数字で可視化することができます。
上手な活用に向けての動き方
工数データの活用はしたくとも、どうすればいいのか分からず止まっている場合は、まず活用ができる環境を整える必要があります。
①各個人の工数データは見える状態にし、自身の生産性向上に活用してもらう
自身の働き方を工数として見ることで、より生産性高く働くための改善活動に活用してもらえます。
②管理職には、担当部署の工数データを共有し、自部署の人時生産性の指標とする
管理職にはその部署のメンバーの工数データを共有し、メンバーが実際にどの業務にどれくらいの工数をかけているかの実態を共有しましょう。バックオフィス部門の管理職が、自部署の生産性向上や業務改善に向けて活用するためにはデータ公開が必須となります。
③管理職に工数分析の知識を教育する
工数データを共有したからといって、管理職にそのデータを活用する知識がなければ、ただデータを眺めるだけとなります。そのため、管理職にデータ共有するとともに、分析知識を教育していく必要があります。
④管理職からの各部署状況の報告時に工数データを活用する
会社として導入した工数管理のデータは、各人・部署に任せっきりではなく、工数データから算出した生産性指標として全社で使用することが大切です。管理職が組織を運営するうえでの判断材料として「工数データ」を活用できる体制にしましょう。
バックオフィス部門での工数管理は導入だけでなく、運用・分析が肝要
メンバーの業務結果が集まった工数データを分析することで、バックオフィス部門の必要性・貢献・価値を数字(定量指標)で表現していくことができます。ただ、メンバーの入力が不適当で正確ではない情報が蓄積している状況やデータがあったとしても分析をせず有効活用していないと、導入した苦労だけが残り、生産性向上にはつながりません。
工数データは活用の仕方次第で生産性向上や業務改善の打ち手を検討することが可能です。そのためには、工数のデータ入力と分析を徹底し、工数データの精度をあげていくことが大切です。
下記資料では、工数データの基本的な活用方法や分析視点もご紹介しています。ぜひ、ご活用くださいませ。