システム構想を描く目的
近年、業務や業態に特化したシステムやクラウドサービスが多岐に渡り、提供されています。
そのようなシステムを業務単位、事業単位で導入し、組み合わせることでDXを実現する事例が多く見られます。
(参考:システム担当者必見!社内を説得するシステム導入とは)
複数システムを組み合わせるメリットとして、システムカスタマイズを回避することでコスト肥大化を防ぎつつ、各システムの標準機能で業務最適化を図ることが挙げられます。
今後、DX手法のひとつとして広く活用されていくことになるでしょう。
複数システムを組み合わせる場合、検討や導入を進めるにあたり重要なポイントがあります。
それは全体像である「システム構想」を描くことです。
全体像を描くことで「本来の目的に沿ったシステム導入」「最適な業務システムや補助ツールの選定」「明確な全体コストシミュレーション」を進めることが可能となります。
今回は「システム構想」の描き方のポイントについて解説いたします。
複数システム導入の失敗例
複数システムの導入では、部分的な導入を先行して進めた結果、他システムとの連携が難しくなってしまったり、全体最適ではなく部分最適となり、結果的に他部門の工数が増加してしまったりと思うような結果につながらない可能性があります。
(参考:システムの導入・リプレイスを失敗させないための秘訣)
導入失敗例としては下記のようなケースがあります。
■目的からの逸脱
部分導入を進めた結果、マスタデータ管理が部署毎になり、当初の目的であった「データ一元管理」が実現できなかった。
■コスト肥大化
導入後に業務システム機能に不足があることがわかり、不足機能を補完するツールの追加導入コストが発生してしまった。
(参考:企業におけるIT投資の考え方とは?)
■工数増大
導入後に連携が必要なデータ項目の不足が判明し、データ連携のためのExcel加工や手作業が発生してしまった。
このようなケースに陥らないためにも、「システム構想」を描き、目的やシステム、コストシミュレーションを明確化する必要があります。
システム構想を描く4つのポイント
システム構想を描くためには4つのポイントを抑えることが重要となります。
①全体像イメージ可視化
目的を逸脱せずに選定や導入を推進するため、目的に準じたシステム構成を図式化します。
どのようなシステムが必要か、「販売管理システム」といったカテゴリー名で記載し、全体イメージを捉えます。
②必要システム機能の把握
各部門の業務棚卸や課題抽出から必要となるシステム機能を割り出します。
各業務の詳細を理解し、システム機能に落とし込んでいくことで最適なシステム選定を進めることに繋ぐことができます。
③システム連携把握
複数システムの組み合わせになるため、各システムの連携情報の把握も重要となります。
API連携機能やCSV、TXT入出力機能、データ項目等の詳細を確認します。
④全体像イメージの具体化
②の検討システム名や機能情報、③のシステム連携情報を①の全体像イメージに反映し、具体的なシステム全体像であるシステム構想を描きます。
上記のポイントを踏まえて「システム構想」を描くことで、「予算コスト」で「自社にとって必要なシステム」を「最適な形でデータ連携」させることができ、「DXの目的」を実現するうえで全体最適な答えを導くことにつながるでしょう。
下記の資料では、システム構想を描く4つのポイントをモデル事例を用いて具体的に解説しております。是非、ご活用ください。